事例でわかる相続の知識
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2021/05/06
相続した不動産の管理をしていないと固定資産税が上がる?
「空家当対策の推進に関する特別措置法」という法律をご存知ですか?
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この法律は、長何管理されておらず、安全性や衛生面で問題のある空き家に対して、
市町村が所有者に改善を促す法律です。
現在、空き家の増加が社会問題となっています。
中でも、管理されていない空き家は
「傾いて倒壊の恐れがある」
「ネズミや虫が発生して不衛生」
など地域の住環境に影響を与える問題を抱えています。
では、なぜこのような管理されていない空き家が増えているのでしょうか?
その原因をいくつか挙げてみると・・・
・若い人たちが都市部で生活するようになり、親から相続した実家を持て余している。
・家を壊して更地にすると土地の固定資産税が上がる。
・建物の解体費用がかかる。
・田舎の不動産が売れない。
このような理由があっても、
自治体としてはこの危険な状況を放っておくわけにはいきません。
そこでこの特別措置法が制定されたのです。
では、この特別措置法について、もう少し詳しくご説明します。
まず、地域住民からの問題提起に対しての対応、
そして空き家データベースとして整備された地域の空き家情報をもとに、
空き家の管理状況等から「特定空き家」の認定をしていきます。
具体的には、空き家への立ち入り調査をして、次のような基準から判断します。
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより、著しく景観を損なっている場合
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
特定空き家に認定されると、市町村から空き家の所有者へ通知が届きます。
内容は、
「管理されていない現状の報告」
「今後の所有者の対処の予定(管理や処分など)」
「市町村まで連絡して欲しい」
といったことです。
相続されていない未分割の空家の場合には、
相続人全員にこの通知が届くそうです。
この通知の後、
・連絡がない
・改善されない
などの状況によって、市町村の対応は、
① 指導
② 勧告
③ 命令
④ 代執行
の順に強制力を強めていきます。
「代執行」とは、市町村が所有者の代わりに空き家の除去や修繕等をし、
その費用を所有者に請求する方法です。
これはかなりの強権ですから、よほどの場合にのみ適用されるでしょう。
また、②の勧告を受けると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があります。
固定資産の軽減措置とは、
例えば60坪以下の敷地では固定資産税が1/6に減額される措置です。
ですから、この軽減措置が受けられなくなると、
現在の敷地の固定資産税が6倍になることが考えられます。
福山市役所の担当者に詳細を伺いに行ったところ、
次のような話をして下さいました。
「メディアで大げさに言われているように、
すぐ空き家を強制撤去するような法律ではないんです。
しかし、社会問題となって地域住民に迷惑が掛かっている事も事実です。
私達がお願いしたいのは、
とにかく管理して欲しい、
将来空き家になることが予測されるのであれば、
事前の対策をして欲しい、
ということなんです。」
つまり、
・草刈りや庭木の手入れをする
・割れた窓など破損部分を修繕する
・崩れかけた塀や壁は修繕する
といったことをしっかりしておくことが大切です。
また、事前に将来のことを考えて、早めに不動産の処分や活用など、
空き家にしないようにする対策の検討も必要となるでしょう。
そもそも、空き家が社会問題となってしまった根本的な原因があります。
例えば、少子高齢化や核家族化、地域の雇用の問題、
そして固定資産税性の不備など。
この空き家問題は、日本が抱える大きな課題の1つが具体化したものと言えます。
これからは、田舎・実家の上手なたたみ方がより注目されます。
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