事例でわかる相続の知識
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2021/04/27
便利なパソコンが引き起こす、相続の新たな問題
パソコンやスマートフォン、デジカメなど、様々なデジタルツールを生活に取り入れ、
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活用している方が増えてきました。
もちろん、この原稿もパソコンとにらめっこしながら書いているわけです。
このように、パソコンやスマホなどのデジタル機器は、日常生活に欠かせないものと
なってきています。
それに伴い、スマホ依存症やデジタル遺品問題など、多くの社会問題が出てきています。
私たち相続の専門家としても、このデジタル機器による問題に悩まされることがあります。
例えば、先に述べた「デジタル遺品問題」もその1つです。
「デジタル遺品」という言葉をご存じですか?
主に、故人が使用していたパソコンに残された大切な写真や資料、データのことです。
具体的には、
・写真
・資料のデータ
・メール
・アドレス帳のデータ
・インターネットで取引をしていた証券会社や金融機関のIDやパスワード
などが挙げられます。
では、これらがどんな問題を引き起こしているのでしょうか。
① 「主人が撮った写真がパソコンに入っているんだけど、
私はパソコンが使えなくて・・・」
相続手続きのお手伝いをしている中で、このように困っていることをお聞きすることがあります。
また、私どもでパソコンを起動してみても、パスワードが必要だったり、
どこに保存されているかもわからなかったりして、解決できないことも多々あります。
② 「主人が使っていたパソコンを処分したいんだけど、
大事なデータがあったらどうしよう・・・」
このケースも、やはりパソコンに詳しくない奥様のお悩みでした。
このように、亡くなったご主人のパソコンについて、パソコンが苦手な奥様がお困りになるケースが多いように思います。
また、インターネットによる有価証券取引や、預金取引をしている場合にも、
困ったことが起こります。
例えば、
「主人がインターネットで株や預金の取引と管理をしていたみたい。
でも私は何をしていたか全然知らないんです」
と困られているご遺族の方もいらっしゃいます。
インターネットで預金の取引をする場合、通帳が存在しないこともよくあります。
すべて、インターネットを介してのデータが通帳の役割を果たします。
通帳がないので、インターネットの口座に預金があるとは知らず、
相続の手続きの中から漏れてしまうということも起きがちです。
また、手続きしようにも、インターネットを使ってその預金取引先の電話番号を調べ・・・
この段階で、パソコンが苦手な方はお手上げです。
では、どうすればよいのでしょうか。
残された家族にもわかるようにしておくことが大切です。
その方法として、エンディングノートと呼ばれるものを活用するケースも増えています。
具体的には、次のようなことを書いておきます。
① パソコンや各種インターネット取引に関するパスワード
② 写真やデータの保存場所やその処分について
③ インターネット取引の種類や機関名
この機会に、ご自身のデジタル遺品について、そしてその管理について考えて見られてはいかがでしょうか。
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