事例でわかる相続の知識
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2021/03/15
家族の安心と信頼を深める「家族信託」の活用方法
「信託」と聞くと、どなようなイメージをお持ちでしょうか?
信託銀行による投資信託、株式、不動産など、資産運用に関することを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、意外にも信託の歴史は古く、もともとは人々の生活に身近なものでした。
そんな歴史を簡単に、少しだけ、ご説明します。
信託が制度として確立された背景には戦争がありました。
時は15世紀、イギリスにおける薔薇戦争です。
当時の貴族は、戦争に負けると土地を没収されました。
貴族たちは、土地の没収を避けるために戦争に行く前に信頼できる人に土地を譲渡していきました。
このような背景から信託が制度として確立されていったようです。
昔も今も、信託の原理は同じです。
「自分の財産を、信用できる人に信じて託す」ということです。
では、現在では信託はどのように使われているのでしょうか。
一部をご紹介します。
① 財産を他人に託して、特定の目的のために利用させる。
(家の増改築、施設入所等)
② 財産の引き継ぎ手を、次の世代、またその次の世代と指定する。
(会社の同族株式や不動産等)
③ 相続税対策としての活用
③は昨今の相続税改正に伴い、注目を浴びつつあります。今回は、相続税対策の活用について2つご紹介します。
・認知症になった後でも贈与を続ける贈与は、贈与時に、あげる人ともらう人両方の意思が必要となります。
よって、認知症になると贈与はできません。
これを、信託によって解決できるのです。
・贈与を受ける孫に伝えず贈与する孫に贈与する際に、次のようなご要望をよくお聞きします。
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「孫に知らせずに贈与したい。人生が狂ってしまっては困るから。」
これも、信託を利用すれば、もらう人が贈与の事実を知らなくても、贈与が成立します。
信託の種類や方法は他にもたくさんあります。
各ご家庭の事情に合わせたオーダーメイドの信託契約を作ることができます。
また、財産の管理や承継の問題を家族で話し合って解決する家族信託は、
家族の安心ときずなを深める、有効な解決策と考えます。
<司法書士 石井俊光>
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