6月, 2020年

現金を贈与しても無駄遣いをさせない方法

2020-06-30

相続税法の改正によって、相続税に対する不安を抱える方が多くなりました。

当協会では、相続税や生前贈与に関するセミナーを定期的に開催しています。
毎回満員のご参加をいただいていることから、まだまだ地域の方々の相続税に対する不安が多いと実感しています。

そこで今回は、相続税節税対策のご相談にいらっしゃったAさんの事例を紹介します。

Aさんは、ご自身の財産について、相続税がかかりそうだから節税対策をしたいというご相談でした。
相続税専門の税理士による財産目録の作成や相続税額の試算を経て、現金を贈与する対策をとることになりました。

ただ、現金の贈与についてAさんには気がかりなことがありました。
それは、贈与を受ける息子さんたちが、無駄遣いをしたり、仕事を辞めたりするのではないかということです。

現金を贈与する場合、このような不安な声をよくお聞きします。
一般的な対策としては、贈与された現金を定期預金にしたり、一時払いの保険にしたりします。

しかし、Aさんのご事情をよく理解していた私どもと税理士は、司法書士と十分な打ち合わせをし、信託という方法をお勧めしました。
信託は、信託法という法律から成り立っています。当協会では、法律に精通した司法書士が専門に取り扱っています。

以下に、Aさんの「信託を使った現金贈与」を解説します。
(図を参照しながらお読みください。)

まず、登場人物を説明をします。
Aさん・・・財産を持っている人
Bさん・・・財産をもらう人(Aさんの孫)
Cさん・・・信託契約でBさんがもらった財産を管理する人(Aさんの長男)

次に、契約の内容を説明します。契約は贈与契約ではなく、次のような信託契約をします。
「Aは、現金〇〇万円をCに託す。Cはこの財産をBが婚姻したらBに渡す。」

この場合の信託契約のポイントは、信託契約の時点では、Bさんに現金は渡らないということです。
ですから、Bさんが無駄遣いをしたり、仕事を辞めたりというAさんの不安を解消できるのです。
また、税務面は一般的な贈与と同様に取り扱うため、生前贈与としての節税効果もあります。

信託は登場人物の組み合わせや、信託された財産を受け渡すタイミングをある程度自由に設定できるので、ご家族の状況にあった財産の受け渡しが可能です。
ただし、まだまだ一般的な方法ではないので、確実な信託契約をするためには、専門家への相談やアドバイスが必要です。

また、この場合の「信託」とは、信託銀行の「信託」とは全く意味が違うものです。

今回は信託を使った相続税節税対策の一例をご紹介しました。
他にも「こんなことはできないの?」など信託の利用を前提としたご質問等がありましたら、当協会までご相談ください。

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